日本歴史地名大系 「大野中村」の解説 大野中村おおのなかむら 和歌山県:海南市大野中村[現在地名]海南市大野中北は汐見(しおみ)峠の東、南は藤白(ふじしろ)山系の山頂に及ぶ南北三キロ、東西一キロの細長い村で名草(なくさ)郡に属した。北は且来(あつそ)村、西北は井田(いだ)村、南は海部(あま)郡引尾(ひきお)村(現海草郡下津町)。村の中心は日方(ひかた)川の沖積平野で、村内を日方川・山田(やまだ)川が西流する。「和名抄」記載の大野郷、中世の大野庄・大野郷に属し、村内にはその鎮守社の春日神社が鎮座する。貞和三年(一三四七)一〇月一〇日付の頼帳畠地寄進状(禅林寺文書)に「名草郡大野郷中村仏念古垣内」とみえ、その地が禅林(ぜんりん)寺に寄進されている。応永七年(一四〇〇)正月日付の三上庄大野郷御年貢帳(同文書)では「中村分」として一六町六反余の田地が記録され、そのうちには蓮花(れんげ)寺・菩提(ぼだい)寺・善住(ぜんじゆう)寺・不動(ふどう)寺などの寺名や、池守免がみえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by