精選版 日本国語大辞典 「大雑書」の意味・読み・例文・類語
おお‐ざっしょおほ‥【大雑書】
- 〘 名詞 〙 暦占書の一種。陰陽道にもとづいて、生活の諸々の指針などを民間用に平易に記述したもの。人間の行為・行動の吉凶を知る際の規準として、主として江戸時代に広く行なわれた。だいざっしょ。ざっしょ。
- [初出の実例]「恥を思もやれ年忘して〈宗因〉 大雑書会稽山にこめにけり〈西花〉」(出典:俳諧・天満千句(1676)四)
大雑書の語誌
江戸時代前期のものは「万年暦」「三世相」など、陰陽・天文・暦にもとづくものを中心に編まれた。後期には、家相・人相・男女相性・命名などの要素をとりこみはじめ、幕末には日取りや夢判じなども含むようになり、種々雑多なことがらに対して吉凶を判ずる易占書的性格を濃くしていった。「節用集」の付録記事と重なるものもあった。