改訂新版 世界大百科事典 「大雲経」の意味・わかりやすい解説 大雲経 (だいうんきょう)Dà yún jīng 中国,北涼の曇無讖(どんむしん)によって漢訳された《大方等無想大雲経》6巻の略称。国王の仏教保護を説くこの仏典には,浄光天女が王位をつぐ,という一節があった。唐の則天武后の愛人,薛懐義(せつかいぎ)は,洛陽の僧法明ら9人と共同で,この経に付会した讖文をつくり,〈太后は弥勒仏の下生なり,まさに唐に代わって帝位に即くべし〉と宣伝し,689年(永昌1)7月にはこの経を全国にわかち,いわゆる武周革命の端緒を開いた。執筆者:礪波 護 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by