朝日日本歴史人物事典 「大館尚氏」の解説
大館尚氏
戦国時代の武将,室町幕府の申次,内談衆。父は持房の子教氏。法名常興。その日記『大館常興日記』は政治史上の著名資料であり,天文7(1538)年から同11年までの分が残る。将軍足利義尚の御供衆となり,文明9(1477)年には申次となる。長享1(1487)年9月の義尚の近江出陣には五番衆の筆頭として従い,評定衆に任ぜられている。将軍足利義稙・義晴らにも仕えて申次,内談衆となり,将軍に近侍して公家とも往来した。八十余歳を生き,『大館常興書札抄』『書札認様秘伝抄』『大館年中行事』『大館伊予守一冊』などの故実書を残した。
(森田恭二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報