天北油田
てんぽくゆでん
稚内市から留萌支庁の天塩郡遠別町まで連なる含油・含ガス地帯。日本海沿岸の南北約一二〇キロ・東西約二〇キロに及び、面積では日本最大。この地域は新第三紀の褶曲地帯で、南北方向の背斜構造をもつ増幌層中に油徴・ガス徴地が点在する。この大小二〇を超える背斜構造のうち、油を産出したのは稚内の声問・増幌・目梨などである。「状況報文」の北見国の項に「宗谷郡稚内村ノ西海岸ニ於テ試掘ス少量ノ浸出アリ」とあり、早くからその存在は知られていた。本格的な油田開削は、村井石油が大正二年(一九一三)以降、稚内のチカップ(富士見)や豊富町目梨別に油井を設けたのに始まる(新天地の天塩)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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