天文方御手鑑(読み)てんもんがたおんてかがみ

日本歴史地名大系 「天文方御手鑑」の解説

天文方御手鑑
てんもんがたおんてかがみ

一冊

成立 文化一〇年

原本 神奈川大学日本常民文化研究所寄託

解説 伊能忠敬が文化三年一〇月から一一月にかけて石見出雲測量を行ったとき、出雲国意宇郡内の状況説明書として制作された。本書にはその旨の記載はないが、所蔵者の東出雲町太田家ではそのように伝来している。なお長行暦録(高見家文書)に、このとき「一村之明細帳」が各村から提出されたとある。本書表紙裏に質問についての返答法が記され、宍道湖・中海の四方山名の記載に続いて各村ごとの記述となる。石高・家数・人数・寺社・村域・里程の順で三八ヵ村が記載され、現在のところ意宇郡の万差出帳の存在が確認されていないため、それに代わる貴重な史料とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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