日本大百科全書(ニッポニカ) 「天満天神祭」の意味・わかりやすい解説
天満天神祭
てんまてんじんまつり
大阪市北区天神橋二丁目の天満宮の夏祭。祭日は7月(もと旧暦6月)24、25日。天満の御祓(みそぎ)・鉾(ほこ)流し祭ともいい、京の祇園(ぎおん)祭、江戸の山王(さんのう)祭とともに日本三大夏祭の一つとされる。24日の宵宮(よみや)に鉾流し神事がある。川に神鉾を流して漂着する所を御旅所(おたびしょ)と定めたのに由来するという。いまは形式だけをとどめている。25日の本祭には、神輿(みこし)を乗せた船が堂島川を下り、江の子島から陸路を練って翌朝本社に還幸する。船渡御(ふなとぎょ)の間、橋の上では三瀬御神楽(みせみかぐら)を奏し、川ではお迎え人形船や篝(かがり)船、囃子(はやし)船などが群れ、神幸の行列には台鉾、獅子(しし)、風流(ふりゅう)花傘、八乙女(やおとめ)、稚児(ちご)、武者行列なども加わった。いまは中之島公園付近の渡御だけを行う。
[井之口章次]