天神祭(読み)テンジンマツリ

精選版 日本国語大辞典 「天神祭」の意味・読み・例文・類語

てんじん‐まつり【天神祭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. てんままつり(天満祭)《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「ちょうちんに浜もあかしと見へ渡る天神祭(マツリ)舟惜(をし)ぞ思ふ」(出典:狂歌・置みやげ(1734))
  3. 江戸の中期以後、歌舞伎作者部屋にまつった天満宮で、毎年二月二五日に催す祭礼。
    1. [初出の実例]「是よりして年々今年に至る迄、天神祭を勤るが」(出典:作者年中行事(1848)一)
  4. てんじんこう(天神講)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天神祭」の意味・わかりやすい解説

天神祭
てんじんまつり

大阪府大阪市北区天神橋に鎮座する天満宮例祭。毎年 7月24,25日に行なわれる。室町時代には旧暦 7月7日の祭りだったが,江戸時代に旧暦 6月24,25日に行なわれるようになった。社伝によれば,天暦5(951)年の 6月1日または 6月みそかに,社頭の浜からを流して流れ着いた場所で禊(みそぎ)を行ない,それを神領民などが船を出して迎えたのが始まりとされる。24日の朝,夏越祓(なごしのはらい)の神事に続いて行なわれる地元小学生から選ばれた神童が神鉾を川に流す鉾流神事は,この起源伝承を再現する神事で,天神祭の開幕を告げる行事として知られる。本祭りは 25日で,午後3時30分頃に,真紅投頭巾をかぶった太鼓打ちの男たちによる催太鼓(もよおしだいこ)の先導で,神鉾や鳳輦(ほうれん)が神社から大川(旧淀川)の天神橋まで渡御する陸渡御が行なわれる。天神橋からは上流に向かって船渡御となり,途中で川の上流から下流に向けて出発した氏子たちの奉拝船と出会い,午後7時頃に船上祭が行なわれる。本来の船渡御は下流にある御旅所に向かって行なわれ,それを奉拝船が出迎えていた。この鳳輦の渡御を中心とする行事に,軽快な地車囃子(だんじりばやし)を奏でる地車や,獅子舞傘踊り奉納などが加わってにぎわう。また,元禄年間(1688~1704)以降,奉拝船に飾られる武者人形などの御迎え人形が見どころの一つとなり,船に飾られなくなった今日も人形だけの展示が行なわれている。

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改訂新版 世界大百科事典 「天神祭」の意味・わかりやすい解説

天神祭 (てんじんまつり)

天神をまつる神社(天満宮)で行われる祭り。菅原道真の命日である25日を祭日とするものが多い。現在一般に,天満宮は菅原道真を祭神とし,学業の神として信仰されているが,天の神としての天神信仰はより古くからあり,天神祭の内容は必ずしもすべてが道真と結びつけて理解できるものではない。天神祭のうちでは,とくに大阪天満宮(大阪市北区所在。旧府社)の祭りが有名である。天満(てんま)天神祭とも呼ばれ,7月25日に行われる。前日に鉾流しの神事があり,25日には中心の行事である神輿(みこし)の川渡御が行われる。華やかに飾った〈お迎え人形船〉〈ドンドコ船〉などが船列をなして堂島川を渡るもので,大阪の祭りを代表するものとして,年々盛大になってきている。江戸時代から続く都市での祓を主題とした夏祭の代表的なものである。
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百科事典マイペディア 「天神祭」の意味・わかりやすい解説

天神祭【てんじんまつり】

菅原道真の月命日である毎月25日の天満大神の祭をいったが,現在では特に7月25日の大阪市北区天満宮の夏祭をいう。京都の祇園(ぎおん)祭とともに関西の夏祭中最大のもの。24日の宵宮(よみや)祭に鉾流(ほこながし)神事があり,25日川渡御。神輿(みこし),鳳輦(ほうれん)を天神橋北詰で人形船,囃子(はやし)船などが迎えて,にぎやかな祭囃子の中に堂島川を源八橋上流まで上り,再び天神橋まで下って本宮に帰る。
→関連項目祭日天神

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天神祭」の意味・わかりやすい解説

天神祭
てんじんまつり

各地の天神・天満宮(てんまんぐう)の祭礼。祭日を菅原道真(すがわらのみちざね)の命日25日とする神社が多いが、天神は本来天神信仰の天の神であるから内容的には道真と結び付かない場合もある。大阪の天満宮の祭礼が有名である。

[編集部]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「天神祭」の解説

天神祭
てんじんまつり

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
安永4.5(江戸・森田座)

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