天知る、地知る(読み)てんしる、ちしる

故事成語を知る辞典 「天知る、地知る」の解説

天知る、地知る

悪事は、いつかは必ずばれるものだということ。

[使用例] 吞みたいのは山々だが、そいつはいけねえな。天知る地知るだ。後が怖ろしいぞ[佐藤垢石泡盛物語|1951]

[由来] 「後漢書ようしん伝」に載っている逸話から。二世紀の初め、後漢王朝の時代の中国でのこと。楊震という役人のところに、ある夜、賄賂を持ってきた人物がいました。楊震が受け取らないでいると、その男は、「もう夜ですから、だれにもわかりません」と言います。すると、楊震は、「天知る、しん知る、我知る、知る。何ぞ知るもの無しとわんや(天が知っているし、祖先の霊が知っているし、私が知っているし、あなたが知っている。だれにもわからないなんて、言えませんよ)」と述べたので、その男も我が身を恥じて帰ったそうです。この楊震のセリフは、「じゅうはっりゃく」では「天知る、地知る、……」となっており、日本ではその形でよく知られています。

〔異形〕天知る、地知る、我知る、人知る/

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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