後漢書(読み)ごかんじょ(英語表記)Hou-han-shu

  • 後漢書 Hòu hàn shū

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中国,後漢一代のことを記した紀伝体の歴史書正史の一つ。 120巻。うち本紀 10巻,列伝 80巻は南朝宋の范曄の作。 30巻は司馬彪の作。范曄はそれまでにあった七,八種類の後漢書を独自の考えで書き改め,,賛などの評論を付した。これには志が欠けていたが,宋の時代に孫せきの建議に基づいて,司馬彪の『続書』の志が本された。紀伝の部にはの章懐太子李賢の,志の部には南朝梁の劉昭の注が付されている。

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百科事典マイペディアの解説

中国,後漢(25年―220年)時代を記した紀伝体の歴史書。全120巻であるが,本紀10巻・列伝80巻は南朝宋の范曄(はんよう)の作で,志30巻は晋の司馬彪(しばひょう)の作。これ以前にも7〜8種類の《後漢書》があったといわれるが,それらはいずれも失われ,最後の范曄のものだけが残って正史とされる。彼自身,文章に自信があったため必ずしも原史料に忠実ではないとされ,特に後漢末の記述については晋の陳寿の《三国志》よりも史料的価値が低いとされるが,史論・史評にはなみなみならぬ努力を注いでいる。
→関連項目甘英正史

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世界大百科事典 第2版の解説

王朝一代にかんする紀伝体の史書。正史の一つ。南朝宋の范曄(はんよう)が《東観漢記》のほか数十家にのぼる先行の後漢時代史を参考にしつつ,432年(元嘉9)に完成。本紀10巻,列伝80巻。志30巻は,のち宋代に東晋の司馬彪(しばひよう)の《続漢書》のそれをもって補ったもの。成立は陳寿の《三国志》におくれ,後漢末に関する記述は重なる部分が多い。〈東夷伝〉のなかの倭国の記事も《魏志倭人伝》と重なる。1971‐72年にそのが発掘された唐の章懐太子李賢が注を書いた。

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大辞林 第三版の解説

中国、二十四史の一。後漢の歴史を記した紀伝体の書。一二〇巻。南朝宋の范曄はんようの撰。本紀一〇巻・志三〇巻・列伝八〇巻。そのうち志は晋の司馬彪しばひようの「続漢書」の志を北宋時代に合刻したもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中国、後漢時代を記した歴史書。正史の一つ。120巻。そのうち本紀10巻、列伝80巻は范曄(はんよう)(398―445)の撰(せん)であり、志30巻は晋(しん)の司馬彪(しばひょう)(240ころ―306ころ)の『続漢書』の志であったものをとっている。曄は南朝宋(そう)の人で、それまでに書かれた数種の『後漢書』を参考にして、自分の考えをもって原典の文章を改削さえもして著した。文苑(ぶんえん)、列女、宦者(かんじゃ)伝などを設け、循吏(じゅんり)伝以下に序を付したのをはじめ、紀、伝にはかならず論賛を付した。志は食貨、芸文の2志を欠くのが欠点である。[狩野直

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精選版 日本国語大辞典の解説

中国の正史、二十四史の一つ。一二〇巻。本紀一〇巻、列伝八〇巻は南朝宋の范曄(はんよう)、志三〇巻は晉の司馬彪(しばひょう)の撰。四三二年(元嘉九)成立。後漢一代の歴史を記し、紀伝の部には唐の李賢の注、志の部には南朝梁の劉昭(りゅうしょう)の注があり、一〇二二年(乾興元)合刻して現行の体裁となった。「東夷伝」中に倭国(日本)の記事がある。注釈書に清の王先謙の「後漢書集解」一二〇巻がある。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

後漢一代を記した紀伝体の歴史書
正史の1つ。全120巻。本紀10巻。列伝80巻は南朝宋の范曄 (はんよう) (398〜445)の撰。志30巻は晋の司馬彪 (しばひよう) の撰。『三国志』より後に成立。「東夷伝」の中に,の奴国が光武帝に朝貢したという記述がある。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

後漢(25〜220)の歴史を記した中国の正史
5世紀南朝宋の茫曄 (はんよう) の撰。全120巻(本紀10巻,列伝80巻,志30巻)。この中の「東夷伝」の倭の記事は,大部分魏志倭人伝によるが,57年倭の奴国が光武帝に朝貢し,印綬を与えられたこと,107年倭国王帥升 (すいしよう) らの生口(奴隷と考えられる)献上という独自の記事がある。1〜2世紀の日本に関する貴重な史料。

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世界大百科事典内の後漢書の言及

【正史】より

…最近の中国では《清史稿》も正史に準じて扱っている。なお《史記》《漢書》《後漢書》《三国志》を前四史,遼,金,元の三史を後三史と呼ぶ。正史はすべて紀伝体であるが,付表のように表と志を欠くものも少なくない。…

※「後漢書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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