天竺川
てんじくがわ
神崎川の支流。千里丘陵の上新田に発し、熊野田を経て、小曾根と椋橋の境界を流れて菰江の三国橋上流で神崎川に合流。途中熊野田で南流してきた兎川を合せる。流路延長七・六キロ。元文元年(一七三六)の豊島郡誌(今西家文書)には「沙川ナリ、常水ナシ。水源ハ島下郡上新田ノ山中ヨリ出テ、小曾根郷ト椋橋ノ荘トノ間ニ至ツテ大河ニ入ル」とあり、水量もあまりなかったようであるが、時には洪水氾濫の被害をもたらしたらしい。文治五年(一一八九)三月の春日社領垂水西牧榎坂郷田畠取帳(同文書)には、穂積村六条三里・四里、すなわち天竺川に堤の記載がすでにみえている。とくに千里丘陵から平坦地へ出る個所が危険であり、ここには山ノ池・中ノ池・こも池(現在いずれも服部緑地公園内)が造成されているが、灌漑目的だけではなく流水調節の目的をもったものである。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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