太秦の牛祭(読み)うずまさのうしまつり

精選版 日本国語大辞典 「太秦の牛祭」の意味・読み・例文・類語

うずまさ【太秦】 の 牛祭(うしまつり)

  1. 太秦の牛祭〈都名所図会〉
    太秦の牛祭〈都名所図会〉
  2. 京都市右京区太秦の広隆寺境内にある大避(おおさけ)神社の祭礼。かつては陰暦九月一二日、現在は一〇月一〇日に行なう。僧侶の一人が、白衣に紙を垂らした摩多羅神(またらじん)仮面をかぶって牛に乗り、四天王と呼ぶ赤鬼、青鬼各二人が巨大な面をつけ、矛(ほこ)を手にして、これを先導し、たいまつを振り立てながら行列をなして社堂を巡り、祖師堂に向かって腰を下ろして、祭文を読む。慈覚大師が魔多羅神を中国から将来して叡山(えいざん)と太秦にまつったのが始めであるともいい、また長和元年(一〇一二)に恵心僧都によって始められたともいわれている。明治維新に一時中絶し、その後復興。うずまさまつり。うしまつり。〔太秦牛祭画巻(1402)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の太秦の牛祭の言及

【広隆寺】より

…太子像を安置した上宮王院(しようくうおういん)(太子堂)や桂宮院(けいくういん)の八角円堂が太子信仰の中心となり,当寺にちなむ種々の太子の伝承が生まれ,また足利将軍家歴代の保護も続いた。なお,有名な〈太秦の牛祭〉は,当寺の伽藍神である大酒(おおさけ)神社の祭礼で,毎年10月12日の夜に境内で行われる。当寺の僧侶5人が異形の面をつけ,そのうち1人は摩吒羅神(まだらじん)となって牛に乗って境内を一巡し,仮金堂の前の祭壇に登って奇妙な祭文を読みあげ,終わると堂の中に駆け込んでこの祭りは終わる。…

※「太秦の牛祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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