日本大百科全書(ニッポニカ) 「女仙外史」の意味・わかりやすい解説
女仙外史
じょせんがいし
中国、清(しん)代の長編小説。100回。正しくは『新刻逸田叟(しんこくいつでんそう)女仙外史大奇書』という。呂熊(りょゆう)(字(あざな)は文兆、号は逸田叟)の作。1704年成立。1711年(康煕50)の鈞璜軒(きんおうけん)原刊本が上海(シャンハイ)図書館ほか東京大学、京都大学などに現存する。唐夔の娘の賽児(さいじ)が夫林三(りんさん)の墓地から兵書と宝剣を手に入れ、妖術(ようじゅつ)に精通したのち、数万の衆を率いて官軍にたてつく物語。明(みん)の永楽(えいらく)年間(1403~24)に起こった唐賽児の反乱を小説化したものであるが、明代の小説『平妖伝(へいようでん)』と同様に、神仙や妖術者たちの術比べが巻を圧する。
[和泉 新]