コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

電動機 デンドウキ

百科事典マイペディアの解説

電動機【でんどうき】

モーターとも呼ぶ。電力によって回転する回転電気機械の総称で,電気エネルギーを機械エネルギーに変換する。磁界内に置かれた導体に電流が流れるとき,磁界と電流との相互作用によって力が発生する。
→関連項目原動機ソーラーカートランジスターモーター発電機モーター

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

でんどうき【電動機 electric motor】

電力を受けて動力を発生する機械。モーターともいう。もっとも広く用いられているのは回転しながら動作するものであるが,直線運動をしながら動力を発生するリニアモーターもある。われわれは家庭から工場,鉱山に至るまであらゆる場所で多量の動力を利用しているが,自動車などの移動機械や特殊な場合を除くと,ほとんどすべての場合に動力を電動機から得ており,日本で発電している電気エネルギーのおよそ60%は電動機によって消費されている。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

でんどうき【電動機】

モーター。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電動機
でんどうき

モータ」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電動機
でんどうき
electric motor

電気エネルギーを機械エネルギーに変換するエネルギー変換機器の総称。モーターmotorともいう。電源により直流と交流とに分けられるが、原理は同じで、磁束密度がBテスラの磁界内に磁界と直角に長さlメートルの導体を置き、これに電流iアンペアを流すとき、その導体にBliニュートンの力を生ずるということを利用している。[磯部直吉・森本雅之]

初期の電動機

電動機の形をなしたものとしては、M・ファラデーによって電磁誘導が発見された1831年ころからつくられている。ただし、初期のものは永久磁石の吸引・反発の力を利用して、可動部は回転でなく、揺動させる方式が主流だったといわれている。現在の直流電動機のように電機子と直流励磁した電磁石を用いた形は、1834年に発表されたヤコビMoritz Hermann von Jacobi(1801―1874)の電動機や、デビッドソンRobert Davidson(1804―1894)が1837年につくったものが最初といわれているが、いずれも出力が小さく、研究室段階のものであった。数十年を経て、交流による発電が定着する時代に入り、交流電源によって直接運転できる電動機が望まれ、イタリアのG・フェラリスやクロアチアのN・テスラらによって交流からつくられる回転磁界が発見され、これが端緒となって2人が独自に二相交流電動機をつくりあげた。現在、交流電動機の主流は三相交流を用いているが、これはドイツのドリボ・ドブロボルスキーが1889年につくった出力100ワットのものが最初といわれる。
 日本でつくられた直流電動機は、1855年(安政2)の15キロワットのものが最初(『日本電機工業史』日本電機工業会発行による)とされるが、三相誘導電動機はずっと遅く1899年(明治32)に0.75キロワットのものがつくられた。三相同期電動機はさらに遅く、1915年(大正4)となっているが、このときは出力が大きく550キロワット、6000ボルトのものが6台もつくられた。[磯部直吉・森本雅之]

電動機の種類

電動機は原理的には発電機としても使える。発電機は、機械動力を電力の形態にエネルギー変換するものであるが、逆に発電機に電力を供給すれば、機械動力が発生する。一般に、電動機と発電機は原理、構造が共通であるので、誘導電動機と誘導発電機をあわせて誘導機、直流発電機と直流電動機をあわせて直流機のように総称される。
 電動機と発電機を含む電気機器の種類は、端子に与えられる電圧の電力形態(直流か交流か)および電源周波数と回転速度が一定の関係をもつか(同期であるか)などにより、以下のように分類される。
〔1〕直流機
(1)自励 直巻(ちょくまき)直流機、分巻(ぶんまき)直流機、複巻直流機。
(2)他励 他励直流機、永久磁石直流機。
〔2〕交流機
(1)同期機 巻線形同期機、永久磁石同期機、リラクタンスモーター、ステッピングモーター。
(2)誘導機(非同期機) かご形誘導機、巻線形誘導機、単相誘導機。
(3)交流整流子機(ユニバーサルモーター)。[森本雅之]

電動機の速度と制御

電動機の速度は、その用途に応じ、つねに一定またはほぼ一定であることを望む場合や、広い範囲に変化させて運転したい場合などがある。このような面から各電動機の性質を調べると次のようになる。
〔1〕直流電動機 速度は電機子に加える電圧にほぼ比例し、磁極に生ずる磁束量に反比例する。したがって一定電圧、一定励磁で運転すれば、負荷が重いときは若干速度低下がおこるが、ほぼ一定速度での運転ができる。速度を変えるには、励磁を一定に保ち、電機子に加える電圧を変えるか、または電圧を一定に保ち、励磁を変えるかすればよい。前者を速度の電圧制御、後者を界磁制御という。両者は併用もできる。
 直流電動機を励磁方式により分類すると、他励式、分巻式、複巻式、直巻式となる。
(1)他励式 界磁と電機子が別の電源になっているもの。電機子電圧制御、界磁制御のいずれも適用できる。この便利さが、高価で保守が煩わしいという直流機の欠点を補い、大出力の他励電動機がいまでも重視され、使用されている。
(2)分巻式 界磁巻線と電機子巻線が並列に接続してあるもの。界磁電流を保つため、電機子電圧を一定に保って運転する。速度制御は界磁制御によるが、最高速度と最低速度の比が3ぐらいの範囲で制御できる。
(3)複巻式 界磁巻線が2種類ある。一方は分巻式と同じであり、他方は電機子電流が流せるように断面積が大きく巻数の少ない界磁巻線で、これを直巻界磁という。この二つの界磁巻線が各磁極鉄心に巻いてあるので、複巻という。この電動機も定電圧で使用し、速度制御は界磁制御によって行う。
(4)直巻式 界磁巻線と電機子巻線が直列接続されているもの。ある電圧を加え、負荷を重くすると、電機子電流が増すことになり、磁束が多くなって速度が低下しトルク(回転力)が増す。この電動機を定電圧電源で運転する場合は、電機子に直列に抵抗を入れ、この抵抗を変えて速度制御を行う。可変電圧電源なら電圧を変えればよく、電気鉄道の直巻電動機のチョッパ(直流電流を通電、遮断する装置)による制御は、定電圧電源からチョッパを通じて可変電圧をつくり、電動機に加えていることになる。
〔2〕同期電動機 周波数に比例した同期速度でのみ運転できるから、50ヘルツまたは60ヘルツの一定周波数(商用周波数)の電源で運転する場合には、一定速度でしか運転できない。しかし可変周波数の電源を用いれば、周波数に比例した可変速度が得られる。1980年代以降はパワーエレクトロニクスの進歩により可変周波インバーターが普及し、同期電動機の可変速度運転をする例が増えている。
〔3〕誘導電動機 この電動機も一定周波数の電源で運転すると、負荷が増してもわずかしか速度低下せず、定速度電動機に含められる。速度を制御したい場合には、巻線形電動機では二次回路の各相に直列に抵抗を入れ、これを加減する方法があるが、広い範囲の制御はむずかしい。サイリスタや直流機、インバーターなどを二次回路に入れて制御する方法もあり、大容量機に適用する例がある。
 かご形電動機の速度を広範囲に変えるには、普通可変周波数のインバーターを電源とする方式が増えている。なお一次巻線を特殊構成にしておき、極数をたとえば2極4極、4極8極などに切り替え、同期速度を変えることができるが、これは速度切替えであって、連続的な速度制御はできない。[磯部直吉・森本雅之]

その他の電動機

(1)交流整流子電動機 直流機のような整流子をもつ交流電動機。三相と単相とがある。三相機には分巻形と直巻形とがあり、いずれも電気ブラシの移動により速度を広範囲に変えることができる。交流電源から直接運転でき、さらに直流機なみの速度制御ができることからかつては使用例が多かったが、1980年代以降パワーエレクトロニクスにより交流機を速度制御することが容易になったので、三相の交流整流子電動機はほとんど使われなくなった。
 三相分巻形のうち回転子側に一次巻線を置くものをシュラーゲschrage形といい、これは三相誘導機の変形とみなすことができる。固定子の二次巻線に、回転子側の整流子面からブラシを通じて取り出したすべり周波数の電圧を加え、その大きさをブラシの移動によって変化させて速度を変える。速度範囲は同期速度を中心に上下50%のものが多く、この間、無段変速ができる。固定子給電形三相分巻機は付属機として三相誘導電圧調整器を用い、その回転子位置を変えるが、電動機のブラシの移動なしに速度を制御する。三相直巻整流子電動機は直巻直流電動機のように始動トルクが大きく、ブラシ位置を変えることにより無段変速ができるが、整流が悪く火花を生じやすい。
 単相整流子電動機にも分巻形と直巻形とがあるが、前者は特性が悪く、以前からほとんど用いられていない。小容量の直巻形は掃除機、ミキサー、電気ドリルなどの高速運転を要するものに使われている。この電動機はブラシ移動を行わず、速度制御には加える電圧を変えている。単相整流子電動機で交流、直流のいずれにも使えるように設計されたものをユニバーサルモーターという。
 単相直巻整流子電動機は、かつてヨーロッパでは電車および電気機関車に使う例があった。誘導起電力を低くするために25ヘルツまたは3分の50ヘルツなどの低い周波数が用いられる。電車の場合、電動機1台の容量が150キロ~250キロワットのものを1車両に4台備える。電車線電圧は1万5000ボルトを用いる例が多く、車両内に変圧器を備え、一次または二次側に多数のタップを置き、その切替えにより電動機に加わる電圧を変えて速度を制御する。
(2)無整流子電動機 三相同期電動機とインバーターまたはサイクロコンバーターを組み合わせ、電動機に可変周波数の交流電圧を加えるようにすると、広範囲の可変速度運転ができるようになる。このシステムは整流子をもたない電動機ということで、無整流子電動機とよばれる。ブラシなし電動機またはサイリスタ電動機ともいう。数千キロワットクラスの大型の無整流子電動機もある。
 1980年代以降、永久磁石を界磁に使い、インバーターで駆動するものをブラシレスモーターととくによぶようになった。ブラシレスモーターは直流電動機に似た特性をもっている。[磯部直吉・森本雅之]
『電気学会編・刊『電気工学ハンドブック』第7版(2013)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

電動機の関連キーワード可変速駆動電動機システムインダクションモーターコンデンサーモーターハイブリッドシステム交流整流子電動機センサレス制御無整流子電動機安川電機[株]釣掛式駆動方式交直両用電動機加減速度電動機くま取りコイル整流子電動機ダベンポートベクトル制御誘導電動機カーティス電動発電機直巻電動機複巻電動機

今日のキーワード

跋扈

[名](スル)《「後漢書」崔駰伝から。「跋」は越える意、「扈」は竹やな》魚がかごを越えて跳ねること。転じて、ほしいままに振る舞うこと。また、のさばり、はびこること。「軍閥の跋扈」「悪辣な商売が跋扈する...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

電動機の関連情報