姜寨遺跡(読み)きょうさいいせき(その他表記)Jiāng zhài yí zhǐ

改訂新版 世界大百科事典 「姜寨遺跡」の意味・わかりやすい解説

姜寨遺跡 (きょうさいいせき)
Jiāng zhài yí zhǐ

中国,陝西省臨潼県姜寨村にある新石器時代仰韶文化集落遺跡。1972-79年に11回にわたる発掘調査が行われた。遺跡は驪山(りざん)山麓臨河の東岸台地に位置し,東西310m,南北180mの範囲にわたる。住居址約120,土壙墓300,甕棺240,貯蔵穴400,圏欄(けんらん)(家畜用柵)3,土器を焼いた窯4と1万点に近い遺物が発見された。集落は周囲を空濠でかこみ,中央に広場を設け,そのまわりに住居が展開する。土壙墓は空濠の外,東側に隣接する共同墓地に集中し,頭を西に置く仰臥伸展葬が最も多い。集落の形態,住居址,土器型式と彩陶文様は約15km離れた半坡遺跡と完全に共通するものがあり,密接な関係にあったことを物語っている。半坡とともに中原における最大規模の保存の良い集落遺跡であるというほかに,半坡類型,史家類型,廟底溝類型,半坡晩期類型の4段階に発展する仰韶文化層と陝西竜山文化層の重なりが層位的に確かめられ,この地域の仰韶文化の細かな編年が可能となった重要な遺跡である。
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