驪山(読み)リザン(英語表記)Lí shān

デジタル大辞泉 「驪山」の意味・読み・例文・類語

り‐ざん【驪山】

《「りさん」とも》中国西安の東、陝西せんせい省臨潼県城東南にある山。標高1302メートル。山麓温泉があり、秦の始皇帝はここで瘡を治療し、唐の玄宗皇帝は楊貴妃のために華清宮かせいきゅうを建てた。

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精選版 日本国語大辞典 「驪山」の意味・読み・例文・類語

り‐ざん【驪山】

  1. ( 「りさん」とも ) 中国西安の東北陝西省臨潼県の東南にある山。ふもとに温泉が湧き、唐の玄宗が離宮を建てて温泉宮とし、のち華清宮と改めた。

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改訂新版 世界大百科事典 「驪山」の意味・わかりやすい解説

驪山 (りざん)
Lí shān

中国,陝西省中部,渭水平野の南に秦嶺山脈前山としてそびえる山。西安の東,臨潼県城の南東にある。標高約800m。山容が驪(黒い馬)に似ているところから,あるいは周代に驪戎の国があったところから称す。また麗山,酈山とも書く。殷・周のころ仙女驪山老母がいたところ,周の幽王が愛妾褒姒(ほうじ)の笑顔をみるために烽火をたいて諸侯を集めた所といわれる。北麓には秦の始皇陵もある。特に著名なのは,北西麓の温泉に唐の玄宗が楊貴妃のために建てた宮殿(華清宮)で,今も華清池として西安近郊の有数の保養観光地となっている。
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百科事典マイペディア 「驪山」の意味・わかりやすい解説

驪山【りざん】

中国,陝西省臨潼県にある山。標高約800m。古来伝説,故事多く,周の幽王はこの山麓で死んだとされる。北山麓に秦の始皇帝陵があり,北西山麓には楊貴妃が湯浴みしたとされる華清池温泉がある。西安事件(1936年)で蒋介石が張学良らによって監禁されたのもこの場所
→関連項目始皇陵

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「驪山」の意味・わかりやすい解説

驪山
りざん / リーシャン

中国、陝西(せんせい)省中部、渭河(いが)平原の南に、秦嶺(しんれい)山脈の前山としてそびえる山。西安(せいあん)の東25キロメートル、臨潼(りんとう)県城の南にある。最高所は標高1302メートル、東繍嶺(とうしゅうれい)と西繍嶺の2峰がある。美しい風景と周辺にある歴史的遺跡によって、西安付近での有数の観光地となっている。とくに「驪山晩照」は関中八景の一つとされる。山麓(さんろく)には温泉があり、長安に都を置いた歴代の王朝の離宮が設けられたが、唐の玄宗(げんそう)皇帝が楊貴妃(ようきひ)のためにつくったという華清宮(かせいきゅう)は有名である。

[秋山元秀]

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世界大百科事典(旧版)内の驪山の言及

【温泉銘】より

…中国,唐第2代太宗の行書作品。この温泉は現在の西安の東方,臨潼(りんどう)県の驪山(りざん)温泉のことで,太宗はこの地に離宮を造営し,たびたび来遊し,温泉銘の碑を立てた。碑は現存しないが,その拓本の一部分が,剪装巻子本の形で,フランスのペリオがもち帰った敦煌(とんこう)文書の中から発見され,羅振玉によって,太宗の自撰自書と断定された。…

【始皇陵】より

…中国,秦の始皇帝の陵墓。原名は驪山(りざん)(山とは陵墓の意味)。陝西省臨潼県の東約5kmに位置する。…

【終南山】より

…標高2000~2900m。北側は大断層崖をなし,断層線にそって驪山(りざん)などの温泉が湧出する。渭河と漢水流域とを結ぶ交通の要所で,子午道などの〈桟道(さんどう)〉が開かれ,しばしば抗争の地ともなった。…

【別荘】より

…別荘を建てる習俗はかなり古くからあり,ローマ帝国や古代中国などの皇帝・貴族がすでに多くの別荘を建てていた。古代ローマではローマ東方の高地にあるティボリや地中海のカプリ島にウィラと呼ばれる別荘が営まれ,中国では長安の東にある温泉地驪山(りざん)などが皇帝の別荘地として有名である。日本でも奈良・平安時代に宇治,明石(あかし),水無瀬(みなせ)などの都に近い景勝地に天皇や貴族の別荘が建てられ,当時の物語や詩歌によく現れる。…

※「驪山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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