精選版 日本国語大辞典「娑婆以来」の解説
しゃば‐いらい【娑婆以来】
〘名〙 江戸時代の通人仲間の挨拶ことば。「めずらしい」とか「ひさしぶり」の意で、長く別れていて後に会ったときにふざけて使った。また、特に遊郭の中で知人に出会ったときに、こんなところでまた出会ったなあという気持で用いた。「娑婆で見た彌次郎」に由来する語。
※俳諧・通し馬(1680)「目にみえぬ風赤鬼の秋〈梅朝〉 哀なり飛花落葉も娑婆(シャバ)以来〈江雲〉」
※談義本・地獄楽日記(1755)一「『是(これ)がほんの娑婆以来ぢゃ』と、三人手を取て涙にくれて」
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