シャバ(英語表記)Shaba

デジタル大辞泉 「シャバ」の意味・読み・例文・類語

シャバ(Shaba)

コンゴ民主共和国カタンガ州の旧称

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改訂新版 世界大百科事典 「シャバ」の意味・わかりやすい解説

シャバ[州]
Shaba

アフリカ中央部,コンゴ民主共和国(旧,ザイール)南東部の州。1972年植民地時代の名カタンガKatangaを現名に改称した。面積49万7000km2,人口413万(1998),州都ルブンバシ(旧,エリザベートビル)。標高800~1400mの高原で,最高点は東境に近いマルング山地の2005m。水系コンゴ川本流支流で,北へ流れる。月別平均気温は17~23℃,降水量は11~4月に集中し,年平均1200~1400mm。ツェツェバエ分布域のため畜産には向いていないが,農耕には適している。しかし開発は進んでいない。名高いのは鉱産で,とくに南部はザンビア北部にのびるいわゆるコッパー・ベルトに属し,銅をはじめ各種地下資源で世界に知られる。
執筆者: コッパー・ベルトの銅などの鉱物資源は19世紀末コンゴ自由国の手で発見,開発され始めたが,1906年にイギリス,ベルギー資本提携によって設立された大規模鉱山会社ユニオン・ミニエール社の手によって,その開発は本格化した。同社は66年末にモブツ政権のもとで国有化されるまで,莫大な利益をベルギーその他関係諸国にもたらした。同州はまた,独立直後に起こった第1次コンゴ動乱(1960-63)ではチョンベによる分離独立運動の舞台として注目を浴び,77年,78年と2度にわたるコンゴ解放民族戦線の侵攻事件でも世界の耳目を集めるなど,政治的にもコンゴ民主共和国の要衝となっている。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「シャバ」の意味・わかりやすい解説

シャバ[州]【シャバ】

コンゴ民主共和国南東部の州名。旧名カタンガKatanga。標高1000m前後の高原地帯で,年平均気温20℃。鉱物資源が豊かで,銅,コバルトスズ亜鉛,ウランなどを産する。1891年にベルギー王の私的植民地〈コンゴ自由国〉によって開発が開始され,アフリカ人の強制労働が行われた。1906年にはベルギー,英国両国の資本によるユニオン・ミニエールが設立されて,広大な土地と鉱業権を独占した。1960年コンゴ独立直後から1963年1月までチョンベのもとに中央政府から分離独立した。ベルギーがこれに介入して派兵するなどコンゴ動乱の主要舞台の一つ。鉱物資源の存在と歴史的経緯から,コンゴ民主共和国政治・経済において重要な地方となっている。主都ルブンバシ。49万6877km2。412万5000人(1998)。
→関連項目カレミエコンゴ民主共和国シャバ紛争ベンゲラ

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普及版 字通 「シャバ」の読み・字形・画数・意味

婆】しやば

また娑婆sahの音写。忍辱の世の意という。唐・白居易〔唐の故(もと)の撫州景雲寺律大徳上弘和尚石塔碑銘〕群生を救拔す。故に婆の男女、我に由りて得度する五千七十二人。

字通「」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャバ」の意味・わかりやすい解説

シャバ
しゃば
Shaba

アフリカ中部、コンゴ民主共和国(旧ザイール)南部の州カタンガの旧称。

[赤阪 賢]

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世界大百科事典(旧版)内のシャバの言及

【ユニオン・ミニエール[会社]】より

…正式名称ユニオン・ミニエール・ドゥ・オー・カタンガUnion Minière du Haut‐Katanga。1990年3月までの期限で広大なカタンガ州(現,シャバ州)の鉱業権を独占することが認められ,着実に発展を遂げた。コバルト,銅その他の鉱物資源の大規模開発を行ったばかりでなく,鉱業以外にもカタンガのほとんどの分野の企業の管理権を握り,コンゴ経済に支配的な影響力を及ぼした。…

※「シャバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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