家庭医学館 の解説
こどものはしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん【子どもの播種性血管内凝固症候群 Disseminated Intravascular Coagulation Syndrome(DIC)】
病気の本態、発症機序、症状、治療法などは成人の場合(「播種性血管内凝固症候群(DIC)」)と大差ありません。
原因となる病気のなかで子どもに多いのは、敗血症(はいけつしょう)、新生児仮死(かし)、急性前骨髄性白血病(きゅうせいぜんこつずいせいはっけつびょう)、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病です。
新生児は、呼吸窮迫症候群(こきゅうきゅうはくしょうこうぐん)、新生児皮膚硬化症(ひふこうかしょう)、壊死性腸炎(えしせいちょうえん)、多血症(たけつしょう)、胎児赤芽球症(たいじせきがきゅうしょう)、低体温、先天性プロテインC欠乏症(ホモ接合体)なども原因になります。新生児期は凝固制御因子が低値で、網内(もうない)系の低下がみられ、血栓(けっせん)(血液のかたまり)ができやすいので、容易に播種性血管内凝固症候群がおこりやすいと考えられています。
治療は成人と同様、もとの病気の治療が第一で、並行してヘパリンの点滴、血漿(けっしょう)の補充療法などを行ないます。