六訂版 家庭医学大全科 「子宮肉腫」の解説
子宮肉腫
しきゅうにくしゅ
Uterine sarcoma
(女性の病気と妊娠・出産)
どんな病気か
子宮体部にできる悪性腫瘍には、子宮体癌のほかに子宮肉腫があります。子宮体癌は子宮の内側の表面をおおっている上皮組織から発生しますが、子宮肉腫は子宮の上皮以外の成分から発生する腫瘍です。
子宮体部の悪性腫瘍のわずか数%を占めるまれな病気で、主に40~70代の女性に発生し、予後はきわめて不良です。
子宮体部の筋肉から発生することも多く、子宮筋腫(きんしゅ)との判別が難しいため、筋腫として手術したのちに、病理検査の結果で子宮肉腫と判明することもあります。
原因は何か
他の悪性腫瘍と同様に、突然変異による何らかの遺伝子異常によって起こると考えられています。また、骨盤への放射線照射歴とも関連するとされています。
症状の現れ方
不正性器出血(月経以外や閉経後の性器出血)、
検査と診断
内診、子宮の細胞診・組織診、
治療の方法
子宮全摘術と両側付属器(卵巣と卵管)摘出術が基本的な治療法です。リンパ節の生検あるいは
再発の治療や肉腫が進行していて手術が不可能な場合には、化学療法や放射線療法が行われます。組織型によって、ホルモン療法が有効な場合があります。
病気に気づいたらどうする
子宮肉腫が疑われる場合には、CTやMRIなどの設備がある総合病院の婦人科で検査を受ける必要があります。
水口 剛雄
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報