子細無い(読み)シサイナイ

デジタル大辞泉 「子細無い」の意味・読み・例文・類語

しさい‐な・い【子細無い/×仔細無い】

[連語]
さしつかえない。構わない。「断っても―・いだろう」
これといった問題もない。「万事―・く完了した」
たわいない。
をのこしもなむ―・き者ははべるめる」〈帚木
特別な理由がない。
「筋なき金をもらふべき―・し」〈浮・置土産・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「子細無い」の意味・読み・例文・類語

しさい【子細】=ない[=なし]

  1. さしつかえない。構わない。
    1. [初出の実例]「歌にも貫之は一首を廿日に読など申ことの侍ば、連歌もかねて能々工夫せん事子細なき歟」(出典:九州問答(1376))
  2. かわった事情はない。別状がない。
    1. [初出の実例]「当時まで都に別の子細無く候事、さて御渡候故と覚え候」(出典:平家物語(13C前)一二)
  3. 面倒がない。むずかしいことがない。わけない。
    1. [初出の実例]「男(をのこ)しもなん、しさひなき者は侍るめる」(出典源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  4. 異論がない。まちがいない。
    1. [初出の実例]「『されば、へは食たる物の香のし候か』と云へば、『子細なし。さぞかし』と云」(出典:梵舜本沙石集(1283)八)

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