大学事典 「学力評価」の解説
学力評価
がくりょくひょうか
授業は目標の設定から始まり,方略を決め,成績評価の実施で完結する。設定された目標は成績評価でその達成度が確認されなければならない。大学教育では,ブルームの教育目標分類における認知領域(知識),情意領域(態度・習慣),精神運動領域(技能)をバランス良く教える必要がある。そこで,評価も3領域の特性にしたがって準備しなければならない。大学設置基準25条の2では「大学は,学修の成果に係る評価及び卒業の認定に当たつては,客観性及び厳格性を確保するため,学生に対してその基準をあらかじめ明示するとともに,当該基準にしたがつて適切に行うものとする」とされている。したがって,シラバスには学力評価基準が記述され,教員はそれにしたがって評価しなければならない。また,学力評価にはその基準をどのように設定するかで絶対評価と相対評価(クラス内の成績分布をあらかじめ設定する)があり,欧米の成績評価が相対評価であることや,外部からの透明性を確保するために,相対評価の導入が高等教育でも求められるようになってきた。GPAとして数値化される場合には,その平や分散を各国で合わせることが標準化につながる。
著者: 細川敏幸
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報