ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルーム」の意味・わかりやすい解説
ブルーム
Bloom, Allan
[没]1992.10.7. シカゴ
アメリカの哲学者,著述家。シカゴ大学でドイツ生れの政治哲学者,レオ・シュトラウスの指導を受け,西洋古典の研究に専念した。シカゴ大学,エール大学,コーネル大学の教授を歴任し,イスラエルやフランスなど,外国の大学でも教壇に立った。話題となったベストセラー『アメリカン・マインドの終焉 文化と教育の危機』 The Closing of the American Mind: How Higher Education Has Failed Democracy and Impoverished the Souls of Today's Students (1987) の著者として,またプラトンやルソーの翻訳者として知られる。 1969年にコーネル大学の学生がいくつかの必須科目を廃止し自分たちに「関係の深い」科目を取入れることを要求して大学本部を占拠したのに対し,大学当局が屈したことに不満をいだいて辞任した。ブルームは大学がもはや学生に思考の方法を教えていないとその著書のなかで痛烈に批判している。教育危機の原因として,誤った考え方に基づくカリキュラムやロックやテレビの悪影響,大学のエリート主義をあげている。
ブルーム
Broom, Robert
[没]1951.4.6. ヨハネスブルク
イギリスの人類学者,古生物学者。グラスゴー大学卒業後,南アフリカ共和国に渡り,ビクトリア大学教授,のちトランスバール博物館員。 1924年 R.ダートがタウングで発見したアウストラロピテクス類がヒト科の動物であることを支持して,猿人化石の探索に努め,助手 J.ロビンソンとともにプレシアントロプス・トランスバーレンシス (1936) ,パラントロプス・ロブストゥス (38~41) ,パラントロプス・クラシデンス (49) などを発見。主著"The South-African Ape-Man" (46) ,"The Genera and Species of the South African Fossil Ape-Man" (50) 。
ブルーム
Bloom, Benjamin Samuel
[没]1999.9.13.
アメリカの教育学者。カリキュラム研究者として著名。学習到達の程度と内容を測定するために,認知的領域と情緒的領域から精細な教育目標を定式化した「教育目標の分類学」は,各国の教育界に大きな影響を与えた。これを基礎にマスタリー・ラーニングと呼ばれる学習・評価の理論を発展させた。また,ユネスコ派遣コンサルタントとして各国の教育行政を援助するとともに,就学前教育の重要性と潜在カリキュラム研究の必要性を強調するなど,現代教育の問題に関して活発に発言している。
ブルーム
Brougham, John
[没]1880.6.7. ニューヨーク
アイルランド出身の俳優,劇場支配人,劇作家。初めロンドンでデビュー,1842年アメリカに渡り,ニューヨークの舞台で喜劇的なアイルランド人を演じた。またロンドンのライシアム劇場を皮切りにニューヨークの劇場で支配人として活躍したほか,翻案劇,笑劇などを多数執筆した。
ブルーム
Brougham, Henry Peter
[没]1868.5.7. カンヌ
イギリスの政治家。『エディンバラ・レビュー』創刊者の一人。 1810年下院に入る。ホイッグ党左派に所属,法制改革などに努力した。 C.グレー内閣の大法官となり,ロンドン大学創設にも参画した。彼が初めて使用した1頭立ての四輪箱馬車は,その名前を取って broughamと呼ばれる。
ブルーム
Bloem, Jacobus Cornelis
[没]1966.8.10. カレンベルヘ
オランダの詩人。ホイヘンス賞 (1949) ,ホーフト賞 (53) ,オランダ文学大賞 (65) などを受賞。代表作『願望』 Het verlangen (21) ,『日暮れ』 Avond (50) ,『離別』 Afscheid (57) 。
ブルーム
Broome
ブルーム
Brome, Richard
[没]1652頃
イギリスの劇作家。ベン・ジョンソンの従僕あるいは秘書をつとめた。『町の才人』 The City Wit (1628) など,写実的な喜劇を書いた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報