普及版 字通 「孰」の読み・字形・画数・意味
孰
11画
(異体字)
20画
[字訓] にる・たれ・なんぞ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
正字はに作り、(きよう)+羊+(けき)。は烹(ほうじん)の器。その器で羊肉を煮る意で、よく煮ることをいう。〔説文〕三下に「(に)ゆるなり」とし、(じゆん)声とする。はものを奉ずる形で、献享の意。すべて醇熟することをいう。のち火を加えて熟とする。疑問詞や比較・選択の意に用いるのは、仮借義である。
[訓義]
1. にる、よくにる、よくみのる。
2. なれる、つまびらかにする、ねんごろ、したしむ。すべてものが熟成し、なれ親しみ、十分な状態となることをいう。
3. 疑問詞として、たれ・たれか、なに・なんぞ、いずれ・いずれか。
4. 比較・選択の意、いずれぞ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕孰 タレ・イヅレ/孰與 イヅレ・イカム 〔立〕孰 タレカ・イカンゾ・ツラツラ・タレ・アマシ・イカソ・ヨク 〔字鏡集〕孰 タレ・タレカ・イヅクンゾ・イヅレカ・ツラツラ・イヅレ
[声系]
〔説文新附〕十三下に塾を録し、「門側の堂なり」とみえる。熟は孰声。〔説文〕未収。孰の繁文である。
[語系]
孰tjiuk、誰zjiiは声近く、孰は人称代名詞に用いる。疑問詞の用義は、それより引伸したものと思われる。
[熟語]
孰若▶・孰何▶・孰与▶・孰諫▶・孰計▶・孰察▶・孰視▶・孰悉▶・孰食▶・孰田▶・孰復▶・孰烹▶・孰爛▶・孰慮▶・孰論▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報