事物、事態に対する疑いを表す語で、英語ではinterrogative wordという。英語では、what, who, howのようにwh-, h-で始まるという形態上の特徴がみられるが、日本語では、いくつかの品詞にまたがって処理される。たとえば「どれ」「どこ」「どの」「どうして」などを、佐久間鼎(かなえ)などはコソアドの一つとしてとらえるが、普通は橋本進吉のように、代名詞(「どれ」「どこ」)、連体詞(「どの」)、副詞(「どうして」)などに分ける。そのほか、「いくつ」「いくら」は数詞、「だれ」「なに」「いつ」などは代名詞として扱われる。その代名詞としての扱い方にも、研究者によって考え方の違いがみられ、松下大三郎のように、「だれ」「どこ」「どちら」などを疑問名詞として、未定名詞の一種とする人もいる。松下は、「だれ」「どこ」といったことばは、他の代名詞のように、一定の基準(人称、遠近)に基づくものではないから、代名詞とみるのは誤りである、とする。一般には、人称代名詞の一つとして、不定称として扱うが、その場合でも、自称、対称、他称と並立させるものと、近称、中称、遠称、とともに他称の一部とするものとがある。
用法としては、(1)疑問を表す(「どっちへ逃げたか」「どれがほしいか」)、(2)「か」「やら」「から」などを伴って、不定を表す(「だれか適任者はいないだろうか」「どこからか虫の音が聞こえてくる」)、(3)全称を表す(「だれも知らない」「いつでもいない」)、(4)代用を表す(「この間だれだれに会った」「なになにはだいじょうぶだろうね」)などがある。
[鈴木英夫]
『佐久間鼎著『現代日本語の表現と語法』増訂版(1966・恒星社厚生閣)』▽『松下大三郎著『改撰 標準日本文法』復刻版(1974・勉誠社)』▽『松村明編『日本文法大辞典』(1971・明治書院)』
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