疑問詞(読み)ギモンシ

デジタル大辞泉 「疑問詞」の意味・読み・例文・類語

ぎもん‐し【疑問詞】

疑問文疑問を表す語の総称英語疑問代名詞(who)・疑問副詞(when, why)など、ふつうインド‐ヨーロッパ語の文法で使われる用語日本語では、代名詞の「なに・だれ・いつ・どこ」、数詞の「いくつ・いくら」、副詞の「なぜ・どう」、連体詞の「どの・どんな」など、疑問として用いられる語をいうことがある。

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精選版 日本国語大辞典 「疑問詞」の意味・読み・例文・類語

ぎもん‐し【疑問詞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 疑問文で、問題の事物事態を指示する語の一種。ふつうはヨーロッパ語の文法で使われる用語で、英語では、疑問代名詞(who)、疑問副詞(when, why, how)など。日本語では、不定称の代名詞「だれ・なに・どこ・いつ・いずこ」、数詞の「いくつ・いくら・何人」、副詞の「どう・なぜ・いかに」、連体詞の「どの・どんな・いかなる」などが疑問として用いられた場合にいうことがある。
  3. ( 比喩的に ) よくわからない点。疑問。
    1. [初出の実例]「私はそれを望んだ。然し一つの疑問詞があった」(出典:ガトフ・フセグダア(1928)〈岩藤雪夫〉二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「疑問詞」の意味・わかりやすい解説

疑問詞
ぎもんし

事物、事態に対する疑いを表す語で、英語ではinterrogative wordという。英語では、what, who, howのようにwh-, h-で始まるという形態上の特徴がみられるが、日本語では、いくつかの品詞にまたがって処理される。たとえば「どれ」「どこ」「どの」「どうして」などを、佐久間鼎(かなえ)などはコソアド一つとしてとらえるが、普通は橋本進吉のように、代名詞(「どれ」「どこ」)、連体詞(「どの」)、副詞(「どうして」)などに分ける。そのほか、「いくつ」「いくら」は数詞、「だれ」「なに」「いつ」などは代名詞として扱われる。その代名詞としての扱い方にも、研究者によって考え方の違いがみられ、松下大三郎のように、「だれ」「どこ」「どちら」などを疑問名詞として、未定名詞の一種とする人もいる。松下は、「だれ」「どこ」といったことばは、他の代名詞のように、一定の基準(人称、遠近)に基づくものではないから、代名詞とみるのは誤りである、とする。一般には、人称代名詞の一つとして、不定称として扱うが、その場合でも、自称対称、他称と並立させるものと、近称、中称、遠称、とともに他称の一部とするものとがある。

 用法としては、(1)疑問を表す(「どっちへ逃げたか」「どれがほしいか」)、(2)「か」「やら」「から」などを伴って、不定を表す(「だれ適任者はいないだろうか」「どこからか虫の音が聞こえてくる」)、(3)全称を表す(「だれ知らない」「いつでもいない」)、(4)代用を表す(「この間だれだれに会った」「なになにはだいじょうぶだろうね」)などがある。

[鈴木英夫]

『佐久間鼎著『現代日本語の表現と語法』増訂版(1966・恒星社厚生閣)』『松下大三郎著『改撰 標準日本文法』復刻版(1974・勉誠社)』『松村明編『日本文法大辞典』(1971・明治書院)』

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