宇治津(読み)うじのつ

日本歴史地名大系 「宇治津」の解説

宇治津
うじのつ

古代、近江木材などを宇治川を経由して巨椋おぐら池、また木津きづ川やかつら川を遡上させて、大和・京都へ輸送する中継点となった港津。位置は宇治橋下流付近に比定される。

「万葉集」巻一の「藤原宮之役民作歌」に「いはばしる近江の国の 衣手の田上たなかみ山の 真木さく檜の嬬手を もののふの八十宇治川に 玉藻なす浮かべ流せれ」と、持統天皇七年頃に行われた藤原ふじわら(跡地は現奈良県橿原市)造営の頃、すでに近江田上(現大津市)の木材回送が宇治川を使って行われていたことが示される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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