木工寮(読み)モクリョウ

デジタル大辞泉 「木工寮」の意味・読み・例文・類語

もく‐りょう〔‐レウ〕【木工寮】

律令制で、宮内省に属し、宮中殿舎造営木材伐採などをつかさどった役所。こだくみのつかさ。

こだくみ‐の‐つかさ【木寮】

もくりょう(木工寮)

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精選版 日本国語大辞典 「木工寮」の意味・読み・例文・類語

もく‐りょう‥レウ【木工寮】

  1. 〘 名詞 〙 令制で、宮内省所管の官司。宮中の造営および木材の準備をつかさどる役所。頭(従五位上相当)、助、大・少允、大・少属の四等官のほか工部などの官人を置く。こだくみのつかさ。むく。もく。〔続日本紀‐養老六年(722)〕
    1. [初出の実例]「木工寮 モクレウ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))

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改訂新版 世界大百科事典 「木工寮」の意味・わかりやすい解説

木工寮 (もくりょう)

令制の宮内省所属の官司。職員は頭(長官)・助(次官)・大允(判官)各1人,少允(判官)2人,大属・少属(主典)各1人,工部(たくみべ)(伴部)20人,駆使丁など。駆使丁には,仕丁(しちよう)のうち諸司に分配した残りすべてが配された。また活動に従って,算師,大工,少工,長上工,番上工,飛驒匠などの多数の技術者が配属された。職員令には造営,木材の調達の職掌が定められているが,ほかに造営の労働力,資材の需給計画もつかさどった。本寮は,頭が従五位上相当官で,かつ宮内省所属という制約により,国家的規模の宮都,寺院の造営事業には対応しえず,それらについては造宮省・造平城京司(平城宮・京の造営),造長岡宮使,造宮使・造宮職・修理制・修理左右坊城使(平安宮・京の造営),造寺司造東大寺司など)が令外官として設けられたので,木工,金工などの工芸品製作が中心的業務となっていった。令外官の造営官司の停廃に伴い技術者を収容したり,808年(大同3)に鍛冶司(たんやし)が併合されたりして,官司の規模は拡大したときもあった。《延喜式》には築垣,壁,屋根などの造営工程,人,車,馬,桴の運搬量,木製品,金工品の製作工程が詳細に記されている。官司は,平安時代には宮外の二条大路南,大宮大路東の地にあった。官司名の和訓は《和名抄》に〈こたくみのつかさ〉とある。
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世界大百科事典(旧版)内の木工寮の言及

【木工寮】より

…令制の宮内省所属の官司。職員は頭(長官)・助(次官)・大允(判官)各1人,少允(判官)2人,大属・少属(主典)各1人,工部(たくみべ)(伴部)20人,駆使丁など。駆使丁には,仕丁(しちよう)のうち諸司に分配した残りすべてが配された。また活動に従って,算師,大工,少工,長上工,番上工,飛驒匠などの多数の技術者が配属された。職員令には造営,木材の調達の職掌が定められているが,ほかに造営の労働力,資材の需給計画もつかさどった。…

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