知恵蔵 「安保理議長声明」の解説 安保理議長声明 2006年の、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)ミサイル発射事件への対処の過程で注目されることになった、国連安全保障理事会(安保理)の慣行。ある事態に対する安保理の意思表明として示される、文字どおり議長の声明だが、議長が独自に行うのではなく、安保理の意思を間接的に伝えるもの。公式資料にも、「安保理議長は……と判断する」といった文章ではなく、「議長は安保理に代わって以下の声明を行う」という文章を添えた上で、「安保理は……と判断する」といった、安保理決議と同じ文章が続く。安保理決議にしたのでは意思表明が強すぎるような場合によく用いられる。北朝鮮ミサイル問題の際に突然現れたのではなく、ふだんからよく用いられ、例えば05年の場合、決議71本に対し議長声明は65本である。法的拘束力(守るべき義務)はない。 (最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by