安心法門(読み)あんじんほうもん

改訂新版 世界大百科事典 「安心法門」の意味・わかりやすい解説

安心法門 (あんじんほうもん)

江戸初期の臨済僧沢庵宗彭が《少室六門集》のうちの安心法門に加えた注釈書。《六門集》は,古来禅宗の祖菩提達磨の著書として伝えられ,心経頌,破相論,二種入,安心法門,悟性論,血脈論の六門からなる。沢庵はこのうちの安心法門を取りあげ,それを素材にして,自己の仏教論を語ったといえる。その課題は〈心〉のあり方の問題である。万物は〈心〉によって作り出されたもので,万物は〈空〉であるから,〈心〉から物を取り去れば無心になる。無心の立場になれば,物に対し直達し,その本源を知ることができる。無心とは無我のことであり,それこそ真の自己である,と沢庵は述べている。
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