日本歴史地名大系 「安木屋場」の解説 安木屋場あんきやば 鹿児島県:大島郡龍郷町安木屋場[現在地名]龍郷町安木屋場円(えん)の東方、龍郷の北、笠利(かさり)湾の西の口にある地名。北の浜に立神(たちがん)があり、東に今井(いまい)崎、その南に鯨(くじら)浜が連なる。江戸時代には円(いん)村のうちであったと思われ、漁網の干し場として小屋が建っており、地名は網小屋の転訛という。今井崎は正保琉球国絵図に「大くろ崎」とあるが、平家の見張所跡であると伝え、今井神社がある。「大島私考」によれば、名瀬(なぜ)間切龍郷(たじご)方の円村に鎮座する今井権現は、今井権太夫の霊を祀り、毎年九月九日の正祭はノロクメがつかさどるという。権太夫は蒲生左衛門とともに平行盛の随侍で瀬名(せな)ノ城を警固するため津代(つしろ)湊(現笠利町)と「深井カ浦」の左右に分れ、権太夫は鼻崎つまり現社地に居住して大和船の来着を監視していたという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by