龍郷町(読み)たつごうちよう

日本歴史地名大系 「龍郷町」の解説

龍郷町
たつごうちよう

面積:八二・〇三平方キロ

大島の北東部に位置し、南部は太平洋、北部は東シナ海に面し、東は笠利かさり町、西は名瀬なぜ市に接する。町の西域には山嶺が連なり、本茶ほんちや(標高三〇一メートル)永雲ながくも(標高二九七メートル)などがある。北東部に笠利湾、さらに南に深く湾入する龍郷湾がある。また東端部は東シナ海と太平洋に挟まれた、大島で一番細くて狭い赤尾木あかおぎ地峡があり、龍郷湾とともに風光明媚の地として知られている。おもな河川として秋名あきな川・嘉渡かど川が東シナ海に注ぎ、大美おおび川が太平洋に流れ込んでいる。耕地は赤尾木が最も広く、戸口とぐち大勝おおがちよりうらに至る一帯と北部の秋名がこれに次ぐ。国道五八号などが通る。

赤尾木地区には半川はんがわ遺跡・ウフタ遺跡・ウギヤウ遺跡・赤尾木保育所遺跡・手広てびろ遺跡などがあり、うちウフタ遺跡は九州の縄文時代後期から弥生時代に相当する遺跡で、石鏃本土の夜臼式土器などが出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「龍郷町」の意味・わかりやすい解説

龍郷〔町〕
たつごう

鹿児島県南部,奄美大島北部にある町。1975年町制。大島紬の製造が盛んで,大島紬の古典的な絵柄で,アダン(→タコノキ〈蛸の木〉)の葉でつくった風車モチーフに,さらにソテツの葉模様を生んだ龍郷柄の発祥地として知られる。ほかにサトウキビ栽培,林業が行なわれ,笠利湾内では真珠養殖が盛ん。安木屋場(あんきゃば)付近のサンゴ礁海岸,ソテツ群落は南国情緒豊かで奄美群島国立公園に属する。国道58号線が通る。面積 81.82km2人口 5817(2020)。

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