日本大百科全書(ニッポニカ) 「笠利」の意味・わかりやすい解説
笠利
かさり
鹿児島県南方洋上、大島郡にあった旧町名(笠利町(ちょう))。現在は奄美(あまみ)市の北東端部を占める。旧笠利町は1961年(昭和36)町制施行。2006年(平成18)住用(すみよう)村、名瀬(なぜ)市と合併し、奄美市となった。旧笠利町域は奄美大島北東端に位置し、標高180メートル前後の笠利山地が南北に走り、緩やかな傾斜地が東西に広がる。海岸線には大規模な裾礁(きょしょう)が発達している。平坦(へいたん)地が多く、農産物ではサトウキビ、畜産、輸送園芸が主で、大島紬(つむぎ)も盛ん。1964年南東部に奄美空港が開設され、奄美の空の玄関となった。1988年7月、奄美空港の北に新空港が開港、旧空港は廃止された。国道58号も走り、白砂海岸の用安(ようあん)海岸やアヤマル崎などの観光地がある。
[田島康弘]
『『笠利町誌』(1973・笠利町)』