安濃津遺跡群(読み)あのついせきぐん

日本歴史地名大系 「安濃津遺跡群」の解説

安濃津遺跡群
あのついせきぐん

[現在地名]津市柳山津興など

平成八年(一九九六)柳山津興やなぎやまつおき松村まつむら地内で発掘調査が行われ、鎌倉時代中期から室町時代にかけての濃厚な遺構・遺物が確認された。鎌倉時代中期では、破損品・未使用品を含む東海系無釉陶器(山茶椀)が大量に出土し、当地が東海系陶器の集散地であったことを示している。一五世紀中葉〜後葉頃には道路とそれに面した集落跡が確認され、完形の常滑産大甕や鬼瓦・鋳造関係遺物・滑石製スタンプなど多量の遺物が出土しており、町場とその付近に生産遺跡や寺院が建並んでいたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

関連語 成立 展開

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android