宋刑統(読み)そうけいとう(その他表記)Sòng xíng tǒng

改訂新版 世界大百科事典 「宋刑統」の意味・わかりやすい解説

宋刑統 (そうけいとう)
Sòng xíng tǒng

中国,宋初の刑法典。竇儀(とうぎ)ら奉勅撰。30巻。963年(建隆4)に成る。佚書である五代後周の《周刑統》の体裁ならい,内容的には《唐律疏議》30巻をほぼ踏襲した官撰律文の注釈書である。12編213門502条からなり,旁照法として唐中期以後の勅文や令,格,式を適宜に収録している点が特色である。これら付載された勅令格式177条,起請32条は貴重な資料である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宋刑統」の意味・わかりやすい解説

宋刑統
そうけいとう
Song xing tong

中国,北宋の刑法典。 30巻,太祖建隆4 (963) 年成立。刑統という名の法典には,後周顕徳5 (958) 年成った『周刑統』 21巻 (現存せず) がある。『宋刑統』はこれを受けて,唐開元 25 (737) 年律疏の体にならいながら,傍証法として,当時行われた令,格式および勅などを随所に収録し,また宋代の制度に合うよう字句に部分的変更を加えている。北宋,南宋を通じての基本法であり,唐宋法律史研究上の重要史料であるが,刊本は伝わらず,わずかに天一閣に伝えられた明代の鈔本により,宋代の体裁をうかがいうる。わずかの残欠があるが,ほぼ全文が現在に伝わっている。

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世界大百科事典(旧版)内の宋刑統の言及

【中国法】より

…しかし現実の政治のうえでは,勅は律に代わって最も重要な刑法たる位置を獲得し,宋代には律令格式といわずに,勅令格式という言い方が普通となった。
[近世]
 現今まで残っている宋代の法典としては,まず《宋刑統》が挙げられるのが常であるが,その内容はほとんど唐律そのままであり,史料的価値が少ない,しかしこれによって唐代の律が,宋代にも通用したことを知りうるので,事実《宋刑統》は判例などに律として引用されている。宋の編勅は今日に残っていないが,その大要は断片的な記録の中から再編成することができる。…

※「宋刑統」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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