宗教法(読み)しゅうきょうほう

百科事典マイペディア 「宗教法」の意味・わかりやすい解説

宗教法【しゅうきょうほう】

宗教に関する国家としての制度や宗教集団の存在・活動を規定する法。最古の《ハンムラピ法典》や中国の《周礼(しゅらい)》,インドの《マヌ法典》にも宗教に関する規定があり,ローマ帝国ではローマ法とは別に教会法が成立した。日本では大化改新以後宗教に関する成文法ができ,延喜式神名帳において,神社を格付けした。旧憲法は制限つきで信教の自由を認めたが,神社神道が不十分な形で国教的地位を占めた。明治政府は1899年以来祭政一致をめざす宗教法案を幾度か上程したが成立せず,昭和に入り国家意識高揚の中で1939年に統制法的性格の宗教団体法が成立した。第2次大戦後宗教法人令(1945年)・宗教法人法(1951年)が公布され,届出制度による宗教法人の自由な活動を図っている。現行憲法は〈信教の自由〉と〈政教分離〉を明確にしている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android