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信教の自由 しんきょうのじゆう freedom of religion

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

信教の自由
しんきょうのじゆう
freedom of religion

自己の欲する信仰をもち,またはもたない自由のこと。内面における信仰にとどまらず,それが外面に流露した,宗教活動,宣伝,伝道,宗教結社の結成もこの自由に含まれる。また,信仰を告白させられたり推断されたりしない自由と,さらにその信仰のゆえに差別されない保障も含まれる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

信教の自由

日本国憲法20条には「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」とある。信教の自由は具体的には、(1)内心における信仰の自由、(2)宗教活動の自由、(3)宗教結社の自由の3つを意味する。つまり、たとえ反社会的な内容であっても、個々人の心の中で信仰し、行動として表さない限りにおいては何ら制約を受けない。そして、布教活動を始めとする宗教活動や宗教団体を結成することに対しても自由が与えられている。ただし、宗教活動が反社会的であったり犯罪行為を伴う場合は、その自由も制約を受けざるを得ないことはいうまでもない。また、宗教団体の信教の自由と個人のそれとを同等に論じることはできない。個人の自由を基本とする現行の憲法下では、宗教団体を構成する個人の信教の自由がまず優先されると考えられる。

(岩井洋 関西国際大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

しんきょう‐の‐じゆう〔シンケウ‐ジイウ〕【信教の自由】

宗教を信じる、または信じない自由。宗教的行為の自由、礼拝・集会の自由、宗教的結社の自由、宗教の選択・変更の自由、無宗教の自由をも含む。日本では基本的人権一つとして憲法で保障している。宗教の自由。→日本国憲法第20条

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百科事典マイペディアの解説

信教の自由【しんきょうのじゆう】

人がどのような宗教を信仰し,宗教団体に加わり,信仰を発表し,宗教的行為を行っても国家権力によって禁止または制限されないこと。無宗教の自由を含む。宗教を理由とする法的差別待遇の否認をも意味する。
→関連項目国教宗教教育宗教法人

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世界大百科事典 第2版の解説

しんきょうのじゆう【信教の自由 freedom of religion】

信仰およびそれに伴ういっさいの表現の自由,したがってまた何ぴとも自己の信じない宗教儀式に参加しなくてよい自由が法律によって保障されること。基本的人権の一部をなし,人権獲得の先駆的役割を演じるとともにその精神的基礎となった。今日ほとんどすべての国家が憲法でこれを規定している。思想的には西欧キリスト教国において発展し,アメリカで1786年の〈バージニア信教自由法〉において確立された。キリスト教の信仰は最も古くから自由を主張しているが,それは内的自由であって,殉教によっても失われぬものである。

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大辞林 第三版の解説

しんきょうのじゆう【信教の自由】

日本国憲法の保障する基本的人権の一。何らかの宗教を信じる、または信じない自由。宗教的行為を行う自由、またそれを強制されない自由、宗教団体を設立する自由などを含む。主として憲法第二十条によって保障されている。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

信教の自由
しんきょうのじゆう

宗教を信仰し、宗教上の行為を行う自由。宗教の自由ともいう。信教の自由は、宗教的権威から人間精神を解放することにより、近代の精神的自由の確立に大きな役割を果たした。また、信教の自由は、人間の魂の救済にかかわる自由として、精神的自由の源をなし、近代以来の人権宣言で保障されてきた。明治憲法も、信教の自由を保障していたが、同憲法のもとでは、「神社は宗教にあらず」という解釈のもとに、天皇の祖先を神として祀(まつ)る神社神道は、実質上国教として優遇され、この結果、信教の自由は制限された。また、神道の教義は、軍国主義の台頭とともに、その精神的支柱としての役割を果たすことになった。
 こうした経緯から、第二次世界大戦後、GHQ(連合国総司令部)は、国家と神道の分離を内容とする「神道指令」を発し、これを受けて、日本国憲法は、信教の自由(20条1項・2項)を定め、また、同自由を実効的に保障するために、厳格な政教分離の原則(20条1項・3項、89条)を採用した。日本国憲法が保障する信教の自由は、自己の欲する宗教を信仰し、布教・宣伝等の宗教的行為を行い、宗教団体を設立する自由、を主たる内容とする。こうした信教の自由の限界の問題は、オウム真理教事件に関連して論議されることになった。すなわち、1994~95年(平成6~7)に、宗教法人であったオウム真理教が猛毒ガスであるサリンを生成・使用し、多くの人命を殺傷(松本サリン事件、地下鉄サリン事件)したことなどのために、都知事らにより、宗教法人法81条に基づき、裁判所に対して同法人の解散請求がなされたほか、公安調査庁長官により、公安審査委員会に対して、破壊活動防止法7条所定の解散指定の請求がなされ、これらの措置が信教の自由を侵害しないか否かが論議されることになったのである。そして、前者については、最高裁が宗教法人法が定める解散制度及びそれに基づく本件解散命令は憲法20条第1項に反しない旨判示し、同法人に対して解散が命ぜられたが、後者の破防法に基づく解散指定の請求については、公安審査委員会により棄却されるに至った。[岩間昭道]

政教分離の原則

第二次世界大戦後、裁判で激しく争われてきたのは、政教分離の原則をめぐってである。政教分離の原則とは、国家があらゆる宗教に対して原則として中立的立場に立つことを要請する原則をいう。国家の非宗教性の原則ともいう。信教の自由が保障されている国のもとでの国家と宗教の関係は一様ではなく、厳格な分離原則を採用している国(アメリカ)のほか、国教制度を採用している国(イギリス)もある。日本国憲法は、国およびその機関による宗教的活動を禁止するほか(20条3項)、宗教団体に対する公金の支出を禁止し(89条)、厳格な分離原則を定めた。もっとも、厳格な分離といっても、国家と宗教とのかかわり合いをいっさい排することは実際上不可能である以上、問題は、憲法がどの程度のかかわり合いを禁じていると解すべきか、にある。判例は、今日、こうした憲法上禁じられたかかわり合いの程度を判断する基準として、目的・効果基準を採用している。すなわち、国およびその機関の行為は、宗教とのかかわり合いが「相当とされる限度を超える」場合、つまり、その「目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような」場合には、政教分離原則に反して許されない、とする基準である。
 これまで、裁判で政教分離の原則違反が争われた事件、たとえば、(1)市の体育館の建設にあたって、市が神式の地鎮祭を主催した事件(津地鎮祭訴訟)、(2)遺族会所有の忠魂碑を市が公費で移設した事件(箕面(みのお)市忠魂碑訴訟)、(3)殉職自衛官の護国神社への合祀(ごうし)に際して、自衛隊が関与した事件(殉職自衛官合祀訴訟)において、下級裁判所の判決のなかには、目的・効果基準を厳格に適用して、違憲とした例もみられた。しかし、最高裁判所は、いずれの場合にも、同基準を緩やかに適用して、合憲と判示してきた。また、このほか、政教分離の原則違反が論議された例として、(4)1990年(平成2)に行われた大嘗祭(だいじょうさい)に対する公費の支出、(5)内閣総理大臣の靖国(やすくに)神社公式参拝、(6)靖国神社の春秋例大祭に際しての地方自治体による玉串(たまぐし)料の支出(玉串料訴訟)などがあるが、下級裁判所は目的・効果基準を適用して、(4)について、違憲の疑いを表明した例(大阪高裁)があり、また、(5)については、ほぼ一致して違憲の疑いを表明してきたのに対して、(6)については、戦没者の慰霊のための「社交的儀礼」だとして合憲とした例(高松高裁、盛岡地裁)と、違憲とした例(仙台高裁、松山地裁)に分かれていた。こうしたなかで、最高裁は1997年4月2日、目的・効果基準を適用して、愛媛県による靖国神社への玉串料等の支出は、「相当とされる限度を超えるもの」で違憲とするという画期的判断を示した。この判決は、政治と靖国神社との結びつきが除々に強められてきた動向に対して、一定の歯止めをかけたものだといえよう。[岩間昭道]

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世界大百科事典内の信教の自由の言及

【寛容】より

…だが,この寛容が宗派的対立の問題を原理的に解決したものでなかったことは,そこに示されている強い政治性からも明らかであり,したがってまた,ブルボン王朝の絶対主義的確立とともに寛容政策はいとも簡単に廃棄されてしまうことにもなった。 近代的な意味での信教の自由を実現させていくことになった寛容の主張は,〈内なる光〉による神と各個人との直接的な関係を強調するピューリタニズム系の諸宗派から生み出されたものである。そこでは神の啓示は各個人の良心に直接示されるものであり,したがって,人間の相互関係においても,また世俗的権力との関係においても,個々人の良心に外から介入し強制することは許されない,とされるのである。…

【国家神道】より

…それぞれの神社の信仰や祭儀の内容には伝統に由来する特質がなお保持されてはいたが,国家による統制と画一化はいちじるしく強められ,地域の小祠も一村一社の村氏神をつくりあげる方向で統合されて,統合されることのない民俗信仰的な諸次元のものは,淫祠や迷信として弾圧された。大日本帝国憲法は制限つきながら信教の自由を規定していたが,それはこうした神社崇拝の受容を前提として承認されるものであった。神社崇拝が実際には宗教としての性格をもっていることは,政府当局者も認めていたが,しかし法的にはそれは宗教でないとすることで,憲法における信教の自由の規定や近代国家における政教分離の原則と矛盾しないという強弁がなされて,それが政府の公式見解とされた。…

【宗教改革】より

…ナショナリズムと結びつく聖書国語訳の普及や,〈万人祭司主義〉に対応する聖職者の身分的特権の否認,修道院制の廃止と教会財産の接収,俗人信徒の職業労働の宗教的評価,〈良心〉の自律性に示される個人主義などは,それぞれの意味で,生活諸分野の近代化の推進力となった。しかし,〈政教分離〉ないし〈信教の自由〉の実現という点では,ルター派,カルバン派を問わず,統治権力や領域主義と結びつき体制化した正統プロテスタント教会は,さしあたりその障害となり,宗教戦争や〈魔女狩り〉の激発に力を貸した。この面でのキリスト教の近代化や,新しい科学的世界観の成立に対しては,ルネサンス文化の潮流と並んで,正統プロテスタント教会から異端視された再洗礼派などの,より個人主義的な諸セクトのほうが,長期的にみて重要な意義をもっていたといえる。…

【政教分離】より

…〈人および市民の権利宣言〉(1789)によれば,国家は〈人の消滅することのない自然権を保全する〉という世俗的目的のための〈政治的団結〉であり,今や国家は神の喜捨や真理への奉仕にではなく,自由で平等な自律的個人の意思のうえに基礎づけられた。ここで予定されている個人は,信教の自由を有し,宗派にかかわりなく平等であることを保障されている,宗教から解放された世俗的存在である。こうして,宗教が社会に追放され国家から切断されることによって,政教分離は原理的に確立されたのである。…

【津地鎮祭訴訟】より

…すなわち,その多数意見によれば,〈政教分離〉の対象となる国家と宗教の間には社会的文化的条件からある程度のかかわりあいを認めざるをえない。〈信教の自由〉の確保という根本目的との関係でそのかかわりあいが許されない場合と限度をみつけることが問題である。そこで許されない宗教的活動とはその行為の目的が宗教的意義を持ち,その効果が宗教への援助,助長,促進,圧迫等になる行為である。…

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