官営模範事業(読み)かんえいもはんじぎょう

旺文社日本史事典 三訂版 「官営模範事業」の解説

官営模範事業
かんえいもはんじぎょう

明治政府が,欧米近代産業の技術や機械・設備を民間に導入・移植するために実施した政府の近代産業育成事業
明治維新後,まず旧幕府・諸藩の兵器工場・造船所鉱山などを没収して,軍需工場の基礎をつくるとともに,1877年ころまで紡績製糸などの官営工場を設立し,近代産業の移植・育成につとめた。おもなものに,東京および大阪の砲兵工廠横須賀造船所深川セメント製造所品川硝子製造所富岡製糸場など。'80年以降財政政策の転換により,軍事工場部門を除きしだいに民間に払い下げられた。このように日本資本主義は初めから政府の保護によって育成された。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

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