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実存の哲学 じつぞんのてつがく Existenzphilosophie(独)

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知恵蔵2015の解説

実存の哲学

個の生を中心テーマに据える哲学を「実存の哲学」と呼ぶ。マルクス主義が歴史の発展というモデルをもとに社会が進むべき大きな見取り図を描いたのに対して、20世紀の実存の哲学は、キルケゴールニーチェの哲学の影響のもと、個としての生き方に注目し、ひとりの人間が生きるうえでの可能性を問う。ヤスパースと共に実存の哲学の代表的思想家とされるハイデガーによれば、人間存在(「現存在」と呼ばれる)は、絶えず自分自身のあり方を気遣うような存在であり、事物存在とは本質的に異なっている。こうした人間特有のあり方が実存と呼ばれる。ハイデガーは、この実存の構造を被投性(ある状況のなかに投げ入れられていること)と企投(ある可能性をめがけること)といった用語で分析した。またサルトルは、企投は政治的ことがらへ向けられるべきだとするアンガージュマンの思想を打ち立て、自分の思想的立場を「実存主義」と呼んだ。これは、実存的な生き方の問いを社会参加に接合する試みであり、やがて、マルクス主義と結びつくようになる。

(石川伸晃 京都精華大学講師 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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