実川村(読み)さねかわむら

日本歴史地名大系 「実川村」の解説

実川村
さねかわむら

[現在地名]鹿瀬町豊実とよみ

鹿瀬村北東阿賀野川の支流実川沿いに位置する。「新編会津風土記」に「寒早く暑遅く、双びなき幽僻の地にて本郡東北の村落此に窮る」という。文禄三年(一五九四)七月の蒲生氏高目録帳(内閣文庫蔵)に「舟渡 実川 弐百七十七石九斗五升 御倉入」とあり、蒲生氏直轄領であった。前掲風土記に家数二八とあり、飯豊いいで山の八合目より下には五葉松が繁茂し、熊・羚羊・猿が多いという。「津川旧記」に元和六年(一六二〇)の漆木役一千五七六本三分とある。天明五年(一七八五)の飢饉録(伊藤郡太氏蔵)によれば、同三年九、一〇月頃から葛や蕨の根を食物に充て、翌閏正月には深雪の下にそれらを求めて飢えを慰めたとあるが、孫謀録(日本庶民生活史料集成)では家数三一のうち二が空家となり、人数一五八のうち三一が病死したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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