山川 日本史小辞典 改訂新版 「室生寺金堂」の解説
室生寺 金堂
むろうじこんどう
正面5間,側面4間の正堂の正面に1間通りの懸造(かけづくり)の礼堂をつけた杮葺(こけらぶき)の仏堂。平安初期の建築と推定される。基壇上にある正堂部分に低い床板を張るのは,この時代が仏教建築の日本化の過渡期であることを示す。鎌倉時代および1672年(寛文12)に大規模な修理があった。屋根ははじめ入母屋造(いりもやづくり)で勾配もゆるかったが,寛文期の改造で寄棟造(よせむねづくり)となった。礼堂部も寛文期の改築。平安初期の山岳寺院の唯一の仏堂遺構として貴重。高さ8.6m。国宝。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報