ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家父長権論」の意味・わかりやすい解説 家父長権論かふちょうけんろんPatriarcha イギリスの政治思想家,S.R.フィルマー著。 1680年刊。この著書で彼は,王権神授説による絶対君主を正統化するとともに,国家は家族の集合体であるとする家族国家観に基づく正統化の論拠を提示した。それによると最小単位である家族において家長 (父親) の権力が絶対であるのと同様に,それらの集積体である国家においても君主の権力は父親のそれと同じく絶対であるとされる。この原理はその後,社会契約論の批判対象とされ,J.ロックによって完全に論駁された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by