宿之浦村(読み)しゆくのうらむら

日本歴史地名大系 「宿之浦村」の解説

宿之浦村
しゆくのうらむら

[現在地名]若松町宿しゆく浦郷うらごう

若松村の東、若松瀬戸を挟んで中通なかどおり島の南西に位置する。ゆすなかうら笛吹ふえふき大浦おおうら・宿ノ浦・白魚しろいお築地ちじの集落に分れ、笛吹の弥生時代の遺跡がある一帯は山の神と称されて聖地となっており、自然石を積んだ石積みの段が発見され、磨製石斧が出ている。白魚に鎌倉期以降の中世の石塔群があり、地内の薬師堂には懸仏などがある。弘安九年(一二八六)一〇月二日の白魚弘高避状案(青方文書)に弘高が盛高に譲与した中浦部なかうらべの境として「つゐち」と記されるが、これは築地に比定される。

江戸時代は福江藩平戸藩の相給(二方領)で、うち宿ノ浦・白魚・築地は四分の三が福江藩領、四分の一が平戸藩領であるため福江四分三領・平戸四分一領ともいわれた。平戸領は浦方が中心であったと想定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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