宿院庄(読み)しゆくいんのしよう

日本歴史地名大系 「宿院庄」の解説

宿院庄
しゆくいんのしよう

常楽会料所を含む興福寺雑役免田である。延久二年(一〇七〇)の興福寺雑役免帳の葛下郡に「宿院庄田畠十二町三段 不輸免田五町九段 公田畠六町四段」とある。不輸免田の内訳条里(括弧内は坪数)は、常楽会免田五町が二六条五里(三)、二七条五里(四)、法興院田九段が二六条五里(一)である。公田畠の条里は、二六条五里(四)、二七条五里(九)である。以上の条里によると、宿院庄の所在は現大字東中ひがしなかとなる。欠年(室町時代か)の宿院庄土帳(天理図書館蔵)があるが、同帳には延久の坪付が記されている。

延久以後については「大乗院雑事記」文明一四年(一四八二)閏七月二三日条の「(仏聖)御油庄々」のうちに「中村庄号宿院」とあるので、中村なかむら庄として興福寺仏聖灯油料所となっていたものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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