日本歴史地名大系 「富士写ヶ岳」の解説 富士写ヶ岳ふじしやがだけ 石川県:江沼郡山中町富士写ヶ岳大聖寺(だいしようじ)川上流左岸にあり、標高九四一・九メートル。西麓を大内谷(おおうちだに)川、東麓を片谷(へぎだに)川が北流する。江沼富士ともよばれ、富士山に似たコニーデ風の山容をなし、「富士写し」ともいわれている。「加賀志徴」には富士拝(ふじおがみ)とあり、晴天の日には頂上から富士山・白山・立(たて)山の諸山が見えるという。山名について、山内に不動・地蔵・釈迦の三仏を祀るところから不地釈岳といったのに始まるとする説もあるが(異本「憩紀聞」)、山容から名付けられたものであろう。近世には山内の池で雨乞が行われた(加越能大路水経)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報