御国(読み)オクニ

デジタル大辞泉 「御国」の意味・読み・例文・類語

お‐くに【御国】

自分の国を丁寧にいう語。母国。「御国のために尽くす」
相手出身地・出生国を敬っていう語。「御国はどちらですか」
郷里。出身地。
江戸時代大名領地を敬っていう語。「御国替え」

み‐くに【御国】

敬称。「神の御国へ召される」
日本国。おくに。「御国のためにがんばる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御国」の意味・読み・例文・類語

お‐くに【御国】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 自分の国、あるいは他国についての丁寧・尊敬語。
    1. [初出の実例]「洗張り、ゆのし代を貯蓄して何かお国の為人の為になる場合に、費っていただきたい」(出典:世帯(1928)〈谷川長八〉文化洗濯法)
  3. 人の生まれ故郷の丁寧・尊敬語。
    1. [初出の実例]「おまへのお国のことではござんせんに」(出典:洒落本・広街一寸間遊(1778))
  4. 田舎地方。郷里。
  5. 近世、大名の領国
    1. [初出の実例]「一時あわひでもおなつかしひに、お国へくだらせられたらは、わらはは何とせう事ぞ」(出典:虎明本狂言・墨塗(室町末‐近世初))
  6. おくにもの(御国者)
    1. [初出の実例]「お国がいい様にされる、旅人がおさきにつかはれる」(出典:洒落本・青楼小鍋立(1802)成三草庵酒盛)

み‐くに【御国】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. 国を尊んでいう語。
    1. [初出の実例]「春のおとどの御前、とりわきて、梅の香も、御簾のうちの匂ひにふきまがひて、生ける仏のみくにとおぼゆ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)初音)
  3. 日本の尊称。わが国。皇国
    1. [初出の実例]「うれしくも七ます神の十の宮にみくにのわざを手向けつる哉」(出典:広本拾玉集(1346)四)

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