富岡日記(読み)とみおかにっき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「富岡日記」の意味・わかりやすい解説

富岡日記
とみおかにっき

和田旧姓横田)英(えい)(1857―1929)による回想記録。わが国近代工業の草創期にあたる明治初期に、富岡製糸場工女として働いた、長野県旧松代(まつしろ)藩士族の娘、英が、当時(1873~80)の体験や、母から得た人生訓を、50代になってから執筆したもの。当時の製糸場の実態や人間関係、さらには彼女自身の人生観やその母の封建的な倫理道徳観が生き生きと叙述されている。

[栄沢幸二]

『上條宏之編『定本富岡日記』(1976・創樹社)』『『富岡日記』(中公文庫)』

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