寒冷適応(読み)かんれいてきおう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寒冷適応」の意味・わかりやすい解説

寒冷適応
かんれいてきおう

気候順化の一形態。寒い気候に対する適応をいう。たとえば,形態学的には,躯幹に対して四肢の短いエスキモーの体型,扁平で突出部が少く,比較的厚い皮下脂肪でおおわれたモンゴル人顔面などがあげられる。また,生理学的には,寒気曝露時にエネルギー代謝の増加によって寒さに耐えたり (高体温型寒気適応) ,比較的低い産熱増加による適応 (低体温型寒気適応) などがある。人類の発生は熱帯であったとされ,その進出につれて寒気に対する適応は,いろいろな形をとって現れたと考えられる。したがって,人類の進化,分布に寒気適応は大きな影響を与えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android