寒晒(読み)かんざらし

精選版 日本国語大辞典 「寒晒」の意味・読み・例文・類語

かん‐ざらし【寒晒】

〘名〙
寒中戸外に物をさらしておくこと。また、そのようにして作る食品。《季・冬》
※俳諧・犬子集(1633)六「寒ざらししてもや氷るもち月よ〈休音〉」
寒気にふきさらしになること。
浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(1712頃)上「寒(カン)ざらしの伊左衛門少もくるしからね共」
③ (しりをはしょって寒気にさらされているところから) 奴(やっこ)などの貧寒な者をののしっていう語。
※浄瑠璃・倭仮名在原系図(1752)四「人の女房にほでをさす寒(カン)ざらしめ」
④ 寒声(かんごえ)、寒弾(かんびき)、寒ざらいなどをからかっていう語。
※雑俳・柳多留‐一三四(1834)「やかましい物三味線の寒ざらし」
※俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟「あな嬉しやな餠いはふ比 不食せし時分去年の寒(カン)さらし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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