寝ぬ(読み)イヌ

デジタル大辞泉 「寝ぬ」の意味・読み・例文・類語

い・ぬ【寝ぬ】

[動ナ下二]名詞「い(寝)」+動詞「ぬ(寝)」から》寝る。眠りにつく。
「ここは気色ある所なめり。ゆめ―・ぬな」〈更級

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「寝ぬ」の意味・読み・例文・類語

い‐・ぬ【寝ぬ】

〘自ナ下二〙 (名詞「い(寝)」と動詞「ぬ(寝)」との複合語) 寝る。眠る。
万葉(8C後)八・一五一一「夕されば小倉の山に鳴く鹿はこよひは鳴かず寐宿(いね)にけらしも」
源氏(1001‐14頃)夕顔「はなれたる所に心とけていぬるものか」
[語誌](1)平安時代訓読特有語であり、和文では主に「ぬ」が用いられた。
(2)「ぬ」が男女の同衾の意もあるのに対して、「いぬ」は単に寝床について眠る意である場合が多い。平安和文での「いぬ」の用例は限られてはいるが、「源氏物語」と「更級日記」には男性の会話の中に用いられた例が見られる。

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