朝、眼がさめた時に
ただし、寝違えという医学用語はなく、頸部周囲の
不自然な姿勢で眠り続けた時に起こります。通常は頸部に痛みが生じたり、違和感を覚えた場合には、眼がさめたり、無意識のうちに首の姿勢を変えますが、疲労や睡眠不足あるいは泥酔状態で眠ってしまうと、これらの反応がなくなり、不自然な姿勢で寝続けてしまうことがあります。
睡眠時の姿勢が問題で、首の関節や筋肉にかかっていた負担が原因の場合に生じると考えられています。
長時間の不自然な姿勢、睡眠中の体の冷え、疲労・過労、頸部や肩甲骨を動かした時に起こる頸部の
起床時にある一定の姿勢をとった際に、頸椎の周辺に痛みが生じます。頸椎の運動制限を伴う場合が多く、頭痛や背中の痛み、圧痛部やしこりを伴う場合もあります。頸部の緊張が続くと、肩や上肢にいく神経のとおり道が頸部の筋肉で圧迫され、手のしびれや肩こりを伴う場合もあります。
とくに特殊な診断方法があるわけではありません。
一般的に痛みは短期間で消えていきます。原因が、頸椎の関節や筋肉・靭帯である場合、頸部の緊張を解くことが大切となります。
消炎鎮痛薬や
通常は1~2週間以内に局所の炎症がおさまり、症状が軽快します。それでも症状が治まらない場合は、近くの整形外科の診察を受けましょう。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
あるきっかけによって急に頸部(けいぶ)および肩甲帯部に疼痛(とうつう)を覚え、頸椎(けいつい)の運動が制限された状態をいい、一種の結合織炎と考えられている。大部分は睡眠中に長時間不自然な姿勢をとっていたため、局部の筋肉が持続的筋収縮をおこし、筋肉の血流が妨げられて代謝産物がたまって炎症をおこしたものとみられ、疲労、寒冷、湿度や気温の激変などのほか、枕(まくら)をかえたり起き抜けに不用意に首をひねったりしたことなどが誘因となる。俗に「筋(すじ)を違えた」というのも同じことである。治療としては、患部を安静にし、消炎鎮痛剤を投与するほか、整形外科的に頸椎牽引(けんいん)や温熱、マッサージなどの理学療法を行う。鍼(はり)や指圧の有効な場合もある。なお、頸椎椎間板ヘルニアなどと鑑別するため、疑わしいときは頸椎X線像をとる必要がある。
[永井 隆]
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